こんにちは。山梨大学工学部の青柳です。
このページでは、山梨大学工学部機械工学科の青柳・宇宙工学研究室の活動概要を紹介します。
宇宙工学に興味があって当サイトにたどり着いた受験生や、当研究室の活動や配属方法が気になる本学機械工学科の学生の参考になれば幸いです。
研究室の活動概要
青柳・宇宙工学研究室の活動概要は次のとおりです。
- 平日は毎朝、研究活動の報告や、進捗状況、活動予定などを確認する。
- 具体的なコアタイムは設定していませんが、平日は朝からの活動を推奨しています。
- 研究室内の情報伝達、情報共有ツールとしてMicrosoft Teamsを使っています。
- 実験結果の分析など自宅でできる作業の場合は、Teams上で各自の活動場所を連絡することで、研究室以外の自宅などでの活動もOKにしています。
- 週に一度の「ゼミ」には全員参加して、各研究チームからの状況報告や研究計画を話し合い、情報共有する。
- 別の研究チームの進捗状況も把握し、共有する実験設備のスケジュール調整に活用します。
- プレゼンテーションや質疑応答のスキル向上効果も目的としています。
- 実験装置の設計、製作、改修を行う。
- 実験に必要な装置で、自分で設計、製作できるものは学生自らで行います。
- 旋盤やフライス盤などの機械加工を行う場合、本学工学部にある「ものづくり工房」を利用します。機械工学科の学生なので、機械加工は皆さん上手に取り組みます。
- 研究対象のロケットは電気を使いますし、性能測定で電気信号も扱いますから、電気回路や電子工作にも取り組むようになります。配属された多くの学生は初心者ですが実践で身につきますから大丈夫です。
- 部品の選定や見積もり、発注も、教員の確認のもと学生自らで行います。
- 実験計画を立ち上げるミーティング、実験開始前に実験条件等の確認をするミーティング、実験終了直後に実施結果概要を確認するミーティング、実験データ整理後に実験完了を確認するミーティングなどを適宜行う。
- 実験で見落としている点はないかなど、複数人で確認して研究成果を積み重ねます。
- 研究活動はグループで行い、実験目標と期限を定めた後は、基本的には学生に活動スケジュールは委ねるので、期限内に目標を達成できれば、メンバー内の作業分担や、研究以外の部活動やサークル活動、アルバイト、ボランティアなどは制限しません。
- 研究成果発表に向けた論文作成やプレゼンテーション練習を実施する。
- 宇宙工学に関する学術発表会議、講演会が定期的に開催されるので、それに合わせて研究計画を立てます。
研究室の場所
青柳・宇宙工学研究室で使っている部屋を紹介します。
実験する部屋:B2号館311室 宇宙工学実験室
真空チャンバという実験装置があって、各種の宇宙用ロケットを真空環境下で作動させる実験をする部屋です。
当研究室では2台の真空チャンバがあり、研究グループ間で日程調整しつつ実験をしています。
学生の部屋:B2号館320室 宇宙工学研究室
学生一人に1台の机があって、各自のパソコンを使って、実験で得られたデータを分析、整理したり、文献を探したり読んだりする作業スペースです。
研究室からのパソコン提供はしていません。山梨大学工学部の学生は入学時にノートパソコンを購入しているので、それを使ってもらうようにしています。
LAN環境が整っているので、最近ではオンライン授業をここで受講していることもあります。授業のレポート作成や食事を取るなど、学生が研究生活のために自由に使える部屋です。
研究室の配属
4年生の卒業研究
青柳・宇宙工学研究室は、山梨大学工学部の機械工学科に所属しているので、機械工学科の学生が配属対象になります。
いわゆる卒業研究は、山梨大学の機械工学科の場合、4年生の前期から1年間で行います。
だから4年生になってすぐ、卒業研究の履修条件を満たした学生全員から希望配属先を申告してもらいます。各研究室には上限数があり、上限を超えた希望があった場合はGPAの高い順に配属されていきます。
GPAって何?
Grade Point Averageという、履修した科目の成績の、大雑把な平均点みたいな値です。履修した科目の成績がどれもいいと高くなり、低い成績や単位を落とした科目が多いと低くなります。
GPAは各大学でルールが違うこともあるので、グループ(例えば山梨大学だと工学部とか機械工学科とかの単位)内での成績比較で使います。研究室配属や優秀成績者、大学院の推薦、就職活動の推薦枠などで使われると思います。
自分の行きたい研究室があるなら、GPAは高いほうが有利です。GPAはすぐに上げるのは難しく、入学してから継続していい成績を取っておく必要があります。
3年生の機械工学演習
山梨大学の機械工学科では、3年生後期に機械工学演習という科目があって、それを履修すると半年間、1つの研究室に仮配属のような形で所属して、各研究の課題への取り組みや研究活動を体験できます。
配属ルールは卒業研究と同様に、希望配属先を申告してもらい、上限数内に配属していきます。
青柳・宇宙工学研究室では、ゼミへの参加、ロケットや小型衛星に関する調査と発表、黒色火薬エンジンを使ったロケット製作と打ち上げ、研究室の実験補助、などを実施して、研究室の活動を知ってもらいます。
大学院(修士課程、博士課程)
大学院に進学するタイミングで、研究室に配属する機会があります。
青柳・宇宙工学研究室は、大学院では
- 山梨大学大学院 医工農学総合教育部
- 修士課程 工学専攻 機械工学コース
- 博士課程 工学専攻 システム統合工学コースシステムデザイン分野
に所属しているので、大学院入試の申込時に、上記のコースの青柳研究室を希望申請します。
大学院で青柳・宇宙工学研究室への配属を希望する学生は、山梨大学の学生でも、他大学の学生でも、必ず事前に青柳にコンタクトを取って、事前面談などを必要としますから、連絡をください。
特に博士課程の場合は、十分に余裕を持って相談に来てください。
卒業論文と修士論文
学部生は4年生で研究室配属されてから、1年間で卒業論文を書きます。修士課程は入学時に研究室配属して2年間で修士論文を書きます。
卒業論文も修士論文も、研究室での研究成果をまとめる点では同じです。
卒業論文のための研究、つまり卒業研究では、宇宙工学に関する研究背景の調査や基礎知識の勉強から始めつつ、与えられた研究テーマについて「計画、準備、実験、結果の分析評価、報告」という一連の研究活動に取り組み、エンジニアとしての基礎技術を実習します。そして、研究の心構え、文献の探し方・読み方、実験装置の扱い方、データ整理の仕方、報告書・論文の書き方など、研究活動に必要な様々なことを一緒に考えながら身につけることを目指します。
修士論文のための研究では、学部で修得した工学的知識を活かしつつ、宇宙工学に関する研究活動を自発的・積極的に取り組むことでより高度な工学的スキルを習得することを目指します。また修士課程の学生には研究成果を対外用にまとめて、発表する能力も育てるために、在学中に国内外の学術研究発表会の参加や論文投稿を必須とします。
以上になります。もし不明な点があったり、研究室見学のご希望がありましたら、青柳までご連絡ください。