JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙科学研究所 (ISAS) で令和4年度 宇宙輸送シンポジウムが開催されたので参加してきました。
宇宙輸送シンポジウムは宇宙輸送システムや化学推進、非化学推進の分野に関する研究成果を発表する国内学会で、毎年1月に神奈川県相模原市の宇宙科学研究所で開催されています。
今回は3年ぶりの現地開催で、とても久しぶりに宇宙科学研究所に行ってきました。
入り口の看板を撮影してたら、看板のすぐ下のマンホールにザクⅡと月着陸実証機SLIMが描かれているのに気づきました。こんなの今まであったかな?なんでザクⅡ?
ザクⅡ、、、ザクツー、、、ざくつー、、、ざくつ、、、座屈、、、ん?座屈!そうか、SLIMは月面着陸のときの衝撃を和らげるために、金属部材が潰れる現象を利用するから、それと関連付けているのか、奥深いな(多分違う)。
受付を済ませて入構すると、大きなロケットが置かれていて、テンションが上がります。
写真右側はM-V(ミューファイブ)ロケットで、本体部分は実機らしいです。左側はM-3SⅡ(ミュースリーエスツー)ロケットの実物大模型。
青柳研究室は非化学推進部門の枠で、3件の研究成果発表をしました。非化学推進部門の発表は2部屋の並行開催でした。
1J級電磁・電熱加速型同軸パルスプラズマスラスタの設計と作動確認討
岩本深青,小栗侑真,青柳潤一郎 (山梨大学)
推力の発生に必要な放電エネルギを1 Jにしたときの同軸パルスプラズマスラスタを作って、動作特性や推進性能を取得、評価したという発表でした。
2J級電磁・電熱加速型同軸PPTの陰極チャネルと推進剤へのテーパ付与による連続作動性能向上討
小栗侑真,岩本深青,青柳潤一郎(山梨大学)
こちらは放電エネルギが2 Jの同軸パルスプラズマスラスタの研究。電極の使い方と推進剤の形を工夫して、最初から高い推進性能が得られるかを実験したという内容でした。
8J級同軸パルスプラズマスラスタの電極配置における性能比較
山田昌主,深澤優斗,元木壮瑠,青柳潤一郎 (山梨大学)
そしてこちらは8 Jの放電エネルギによる同軸パルスプラズマスラスタの研究。電極の極性(プラスとマイナス)を交換した配置で推進性能を比較した内容でした。
どの発表でもたくさんの参加者に聴いてもらえて、活発な質疑応答でした。発表した学生達はとても緊張していたそうですが、とても見やすい発表スライドとしっかりした発表、質問の受け答えができていました。
今回の宇宙輸送シンポジウムの非化学推進部門では、青柳研究室の3件の発表を含めて、パルスプラズマスラスタに関する発表が多かったように思えました。盛り上がっていって欲しいです。
他の研究室のいろいろな研究手法や研究成果の発表は、青柳を含め、研究室学生もいい刺激になりました。