宇宙工学でモノ作りを学ぼう
Welcome to Aoyagi Space Engineering Laboratory

青柳・宇宙工学研究室について

About us


青柳・宇宙工学研究室は、山梨大学の工学部機械工学科の学生が所属する研究室です。

大学院だと、学生の所属は医工農学総合教育部で、修士課程工学専攻だと機械工学コース、
博士課程工学専攻だとシステム統合工学コースシステムデザイン分野になります。

専門分野は宇宙工学です。
特に人工衛星に搭載するロケットに関して、実験を中心に研究活動をしています。

ロケットやその性能を測定するための装置を自分たちで設計・製作して、真空中で作動実験しています。

2023年度は学部生4名と修士課程生4名の学生が当研究室に配属されています。

About Aoyagi Laboratory

This laboratory belongs to the department of mechanical engineering in the faculty of engineering at the university of Yamanashi, Japan.
We conducts research and development of space propulsion systems.

研究テーマ

Research topics


超小型パルスプラズマスラスタの研究

Pulsed plasma thrusters with 2 J of electric energy for small satellites

こたいすいしんざい
2ジュールエネルギ
へいこうへいばんでんきょく
どうじくでんきょく

超小型衛星のような、大きさや使用可能電力の制限が非常に厳しいところで使える電気推進ロケットの研究です。

固体推進剤を使うことで推進剤の貯蔵タンクや配管、バルブが不要のロケットになります。
電気エネルギは2 Jで、超小型衛星でも利用可能な量です。

電極と推進剤の配置や形状によって、「平行平板型」と「同軸型」の2種類を試しています。

この研究テーマで、2022年10月12日に打ち上げられた革新的衛星技術実証3号機の「小型実証衛星3号機 (RAISE-3)」に搭載されていたパルスプラズマスラスタモジュール TMU-PPTの研究開発に参加しました。
小型実証衛星3号機 (RAISE-3)は大きさが1 m×0.75 m×1 m、質量約110 kgの小型衛星です。

イプシロンロケット6号機は打上げ失敗に終わり、TMU-PPTの宇宙実証はかないませんでしたが、これまでの研究開発の実績や経験は大変貴重なものなので、引き続き研究を続けます。

でんじかそくがたへいこうへいばんppt
でんねつがたどうじくppt

同軸型パルスプラズマスラスタの研究

Coaxial pulsed plasma thrusters with 8 J of electric energy to improve impulse bit

こたいすいしんざい
8ジュールエネルギ
2ジュールエネルギ
どうじくでんきょく

小型衛星のような、大きさや使用可能電力の制限が厳しいところで使える電気推進ロケットの研究です。

固体推進剤を使うことで推進剤の貯蔵タンクや配管、バルブが不要のロケットになります。
電気エネルギは2 Jや8 Jにしています。これは小型衛星でも利用可能な量です。

パルスプラズマスラスタは、電極や推進剤の配置や形状で性能が変わります。この研究では特に、推力を高くすることが比較的簡単な「同軸型」の電極と推進剤の配置や形状を工夫することで、限られた投入エネルギで、できるだけロケットの推力を増やそうと試みています。

でんじかそくがたどうじくppt

低毒性推進薬を使用したパルスプラズマスラスタの研究

Application of liquid green propellant to pulsed plasma thrusters without solid catalyst

えきたいすいしんざい
8ジュールエネルギ
へいこうへいばんでんきょく
どうじくでんきょく

一般的なパルスプラズマスラスタは固体推進剤を使いますが、この研究では液体推進薬を使います。

液体推進薬には低毒性推進薬(グリーンプロペラントとも呼ばれます)を使います。
低毒性推進薬は、着火したり分解反応が始まると発熱する特別な性質があるので、その発熱のエネルギを推力のエネルギに利用しようと考えています。

パルスプラズマスラスタは電気のエネルギで推力を発生させていますが、この発熱のエネルギも合わせることで、限られた投入エネルギで、できるだけロケットの推力を増やそうと試みています。

「低毒性」って、少しでも毒があるから危ないと思うかもしれませんが、もともとロケットの液体推進薬で使われていたヒドラジンは「猛毒性」でした。それに比べて毒性が低くて、取り扱いしやすくなった、という意味で「低毒性」と呼ばれています。最新の推進薬で世界各国で研究され、実用もされています。

教員紹介

Supervisor


青柳 潤一郎 (あおやぎ じゅんいちろう)

Aoyagi, Junichiro (Associate Professor, University of Yamanashi)

2014年4月から山梨大学で准教授として研究、教育に取り組んでいます。
2007年4月から2014年3月までは首都大学東京(今の都立大学)で助教として研究、教育してきました。
専門は宇宙工学です。大学4年のときに電気推進ロケットの研究室に入ってから、縁あってこの分野の研究を続けられています。

宇宙やガンダムが好きで、自分で何か作ることが好きです。

詳しい経歴は山梨大学ホームページ内にある教員情報ページを御覧ください。

アクセス・お問い合わせ

Access, and Contact


青柳・宇宙工学研究室は山梨大学 甲府キャンパスにあります。

研究活動や研究室配属、大学院進学などで研究室見学を希望する学生がいましたら、青柳までメールで連絡をください。

  • 徒歩の場合、JR甲府駅北口から武田通りを北上(武田神社方面)して約15分です。
  • バスの場合、JR甲府駅北口バスターミナル2番乗り場から「武田神社」または「積翠寺」行きに乗って、「山梨大学」で下車。乗車時間約5分、運賃190円です。
ちなみにバス運賃について

PASMOなどの交通系ICカードが使えます。

バス内の運賃表示器には「19」と表示されるので「え!19円!」と思うかもしれませんが、「10円単位」の表記という山梨交通ルールなので、「19」は190円になります。甲府駅から武田神社までは「23」の表示で、230円です。